「山の仕事、あります」　一枚のチラシに導かれ、出会った仕事は　〈神さまのお嫁さま〉になること。

「心」

作・演出　坂本見花

■作者より上演に向けて(初演時企画書より)

初めて「ナイヤビンギ」に足を踏み入れたときに感じた、異界に迷い込んだかのような不思議な高揚感 ──

それをお客さまにも体感していただけたら、と思います。
なにしろ、わたしのミーハーな第一印象は「ここって、『千と千尋』みたい！」だったのです。まるで映画のセットのようなこのお店でお芝居ができたら素敵だなあって、構想がむくむく膨らんだのでした。

── 生駒山の参道に、一軒の不思議なごはん屋さんがある。
いちばん奥のお座敷で、女のひとが出迎えてくれる。
そのひとは神さまのお嫁さんで、でもふつうの女のひとで、
こっちの世界とあっちの世界の両方で、したたかに、可愛らしく、生きている。──

お座敷ではもちろん、ごはんもお酒も楽しんでいただいて。
お客さまにも、お山の神さまにも歓んでもらえるような、そんな時間をつくりたいと思います。

榮田佳子（さかえだよしこ）

北九州在住。北海道の劇団「千年王國」旗揚げ時よりメンバーとして参加する。劇団の中核をになう役者の一人。中性的な魅力から固定ファンも多く、その活躍は劇団のみにとどまらず、札幌の他劇団への客演を多数こなすなど精力的に活動している。

片岡百萬両（かたおかひゃくまんりょう）

尼崎在住。「片岡自動車工業」主宰。

西田シャトナー主宰の群像劇団「LOVE THE WORLD」を経て、2003年に劇団「ミジンコターボ」を結成。「ミジンコターボ」解散後の2016年、一人演劇ユニット「片岡自動車工業」を旗揚げ。俳優、脚本、演出、宣伝美術などを担当。俳優として関西を拠点に多くの外部出演をこなす。

作・演出　坂本見花　(さかもとみるか)

大阪在住。大阪大学文学部（演劇学専攻）卒。「浮遊許可証」主宰。

観る者の心に爪痕を残す、リアルな痛みと独自の空気感をもったファンタジーを作り続けている。

また、演劇だけでなく小説や映像台本の執筆も意欲的に行っており、

演劇台本形式の異色作品『冥途の穴～羽衣は帰り来たりき！』は、2010 年7 月に単行本として発売された。

美術・照明　サカイヒロト

生駒在住。「WI'RE」主宰。脚本・演出・映像・舞台美術家。

自身の作品発表のほか、関西を中心に舞台公演・ラジオドラマなどに作品提供をおこなっている。

第10回OMS戯曲賞大賞、2017年度大阪劇団協議会スタッフ賞（映像）など受賞。